子どもの矯正歯科
きれいな「歯並び」と健やかな「骨格」を育てる治療です
「うちの子、前歯がガタガタに生えてきてしまったけれど、いつ相談すればいいのかしら」
「まだ乳歯が残っている段階から、矯正治療を始めても意味があるの?」
「学校生活や習い事、部活動の負担にならないか心配……」
大切なお子さまの歯並びを見つめながら、このような不安や疑問を抱えていらっしゃる親御さまは非常にたくさんおられます。
大人の矯正治療が「すでに完成してしまった顎の骨に対して、歯を1本ずつ綺麗に動かしていく治療」であるのに対し、子どもの矯正(小児矯正)は「お子さまがこれから成長していく自然な力を利用して、顎の骨の大きさを適切に整え、歯が健やかに生えそろうための土台(スペース)を作る治療」です。
岡崎市のヒロデンタルオフィスでは、ただ早い段階から装置を付けるのではなく、お子さま一人ひとりの成長のスピードやライフスタイルをじっくり見極め、心と身体に負担の少ない優しい小児矯正をご提案しています。
お子さま一人ひとりの「適切なタイミング」を見極めることの大切さ
子どもの成長のプロセスには大きな個人差があり、歯並びの乱れや骨格的な問題の現れ方も、そのお子さまそれぞれで全く異なります。
例えば、人間の身体の成長において、頭やお顔の上半分の骨格(上顎など)は「神経型」の成長発育パターンをたどり、比較的早い年齢で発育がピークを迎えます。一方で、お顔の下半分の骨格(下顎など)は「一般型」のパターンをたどり、思春期の身長が伸びる時期(第二次性徴期)に大きく成長します。
このように、上顎と下顎では成長していくスピードやピークの時期が根本的に異なるため、上顎の幅を広げるのに適した時期と、下顎の成長を促す(または抑える)のに適した時期も、それぞれアプローチするべきタイミングが変わってくるのです。
「早ければ早いほど良い」あるいは「永久歯が生えそろうまで待てば良い」という一律の判断では、せっかくの成長のチャンスを逃してしまうことにもなりかねません。
当院では、お口の中の診査と専門的な分析のもと、お子さまの骨格と歯並びのバランスを見極め、そのお子さまにとってより良い治療効果が期待できるタイミングを見極めてご提案いたします。
小児矯正を成功へ導くための「当院の4つの工夫」
子どもの矯正治療は、数ヶ月で終わるものではなく、成長を見守りながら進めていく長期的な取り組みです。だからこそ、当院ではお子さまと親御さまが安心して、前向きに治療を続けられるよう、以下のような様々な工夫を行っています。
① 精度の高い診査(セファロレントゲン)と丁寧なカウンセリング
矯正治療を安全に進めるためには、現在の骨格の状態を客観的に把握することが不可欠です。
当院では、頭部エックス線規格写真(セファロレントゲン)を用いて骨格のレントゲン撮影を行い、上下の顎の大きさのバランス、お顔の傾き、歯の生え方の角度などを慎重に診断して、緻密な治療計画を作成します。
実際のカウンセリングでは、噛み合わせの現状や、お口ぽかん(口呼吸)が歯並びに与えている影響、今後の治療の流れなどをすべて分かりやすくビジュアル化し、治療ユニットに設置された大きなモニターで見ながらじっくりと丁寧にご説明いたします。
治療の選択肢を明確にし、ご本人や保護者の方と一緒に考えながら、ご希望に寄り添ったより良い治療を提供いたしますのでご安心ください。
② 負担の少ない矯正装置を選択し、むし歯予防を徹底する
当院では、お子さまの心身の負担を減らすため、できるだけ健康な歯を抜歯せず、装着時の痛みも少ない「床(しょう)矯正」などの装置を主に使用しています。
床矯正装置は、歯や顎の骨全体に対して非常に弱い力をじわじわと働かせる仕組みになっているため、装着時の痛みがほとんどありません。
また、お子さまの矯正治療で最も注意しなければならないのが「むし歯のリスク」です。固定式の装置だとハブラシが届きにくく、磨き残しからむし歯を作ってしまうリスクが高まります。
そのため当院では、お食事の際やハミガキの際にご自身で自由に取り外しができる矯正装置を中心に採用し、治療中もお口の中の衛生状態を清潔に保てるよう配慮しています。
③ お子さまのライフスタイルを最優先に考慮した治療計画
矯正治療を続けていく中では、学校生活でのお友達の視線が気になったり、激しいスポーツや部活動、あるいは受験勉強の時期と重なって負担に感じられたりすることもあるかと思います。
当院では、学校にいる間は装置を外しておき、お家にいる時間や就寝時を中心に装着すれば良いプランなど、日常生活や大切な習い事に支障をきたさないよう、お子さまのライフスタイルをしっかりと考慮した無理のない矯正治療を心がけています。
④ お子さま本人の「治したい」という主体性を育む
小児矯正をスムーズに進める上で何よりも大切なのは、お子さま本人が「歯並びを綺麗にしたい」「毎日装置をがんばって付けよう」と、前向きに、そして主体的に取り組む気持ちです。親御さまに強制されるだけでは、なかなか装置の装着時間が守れず、思うような効果が出にくくなってしまいます。
当院の院長は小児歯科学の博士号を取得しており、行動心理学の知見も有しているため、お子さまが自発的に取り組めるよう、温かく楽しい声かけでモチベーションを引き出すサポートをいたします。専門家の立場からいつでも親身にご相談に応じますので、ぜひご家庭でも「なぜ今これを頑張るのか」をじっくり話し合いながら、二人三脚で楽しく取り組んでいきましょう。
口呼吸対策も行っています
当院では、保護者の方を対象にした「あいうべ体操」の勉強会、トレーニング用の硬いガムなどでよく噛む習慣をつけるアドバイス、口腔周囲機能訓練法も行っています。
口呼吸を改善し、舌の位置をトレーニングすることによって、歯並びが治っていくこともあります。
歯並びの乱れの根本的な原因となっている「口呼吸」や「指しゃぶり」「舌を突き出す癖」などの日常の悪習癖を改善するための取り組み(MFT:口腔筋機能療法)については、別ページの「口腔機能発達不全症」にて詳しく解説しておりますので、ぜひ併せてご覧ください。
当院で取り扱っている「小児矯正装置」の種類と特徴
お子さまのお口の状態、受け口や出っ歯といった症状の性質に合わせて選べる、代表的な矯正装置について詳しくご紹介します。
ムーシールド
乳歯しか生えていない時期(乳歯列期)や、前歯が永久歯に生え変わり始める初期の段階において、主に「受け口(反対咬合)」を改善するために用いられるマウスピース型の装置です。
お口の周りの筋肉の働き(特に舌の強い押し出しなど)を正常化させることで、上下の噛み合わせの乱れを自然に整えていきます。
就寝中に口に装着して眠るだけという非常にシンプルな方法のため、小さなお子さま(3歳〜5歳頃から)でも身体的な負担が軽く、無理なく取り組みやすいのが大きな特徴です。
ただし、昼間の起きている時間や就寝時に、決められた時間を毎日しっかり装着していないと、期待する効果が得られません。
対象症状
前歯の受け口(反対咬合)
適応時期
乳歯列期 〜 混合歯列初期(3歳頃〜7歳頃)
床矯正(しょうきょうせい)装置
小児矯正において広く一般的に用いられる、ご自身で自由に取り外しができる代表的な装置です。
プラスチック製の土台(レジン床)と、金属のワイヤーで構成されています。
レジン床の中央に埋め込まれた小さなネジを保護者の方に定期的に回していただくことで、装置の幅を少しずつ広げ、歯をきれいに並べるための顎のスペースを確保します。
食事やハミガキのときに取り外せるため、むし歯になりにくく、食事の味を損ないません。弱い力で広げるため、痛みが少ないのも魅力です。
ただし、1日のうち指定された装着時間(約12〜14時間以上など)に達していないと、顎の拡大が進まなかったり、歯が計画通りに動かなかったりします。
対象症状
歯のガタガタ・スペース不足
適応時期
混合歯列期(乳歯と永久歯の混在)(6歳頃〜10歳頃)
バイオネータ
下顎(したあご)の成長が未発達で、後ろに下がってしまっていることが原因で噛み合わせが悪くなっているお子さまに用いられる固定・取り外し併用型の装置です。
ワイヤーとプラスチックが一体となった構造で、主に「出っ歯(上顎前突)」の改善に適しています。
お子さまが持つ成長期の筋肉の自然な動きを利用して下顎の健全な前方への発育を促すため、骨格が急激に成長する8〜13歳頃の限られた時期にしか適用できません。
顎の前後的なバランスを根本から整えることができるため、将来的なお顔立ちのバランスの改善にも貢献します。
ご自宅にいる間や就寝時など、1日10時間程度の装着が目安のため、学校に付けていく必要がなく、食事の際も外すことができます。
ただし、成長のピークが過ぎてしまった高学年や中学生以降のお子さまには、骨格的な効果が望めにくくなります。
対象症状
骨格的な原因による出っ歯
適応時期
骨の成長ピーク期(8歳頃〜13歳頃)
リンガルアーチ
歯の裏側に沿うように、針金状の金属ワイヤーを固定するタイプの矯正装置です。
左右の奥歯に「維持バンド」と呼ばれる金属の輪っかをしっかりと固定し、それを主軸として歯の裏側にアーチ状の針金を渡します。
1〜2本の特定の歯がズレて生えてきてしまった位置異常の修正や、軽度な前歯の受け口(反対咬合)の改善などに効果を発揮します。
装置のすべてが歯の裏側に完全に隠れるため、お口を開けて笑っても外側から見た場合にほとんど目立たないという大きなメリットがあります。
また、歯科医院でしっかり固定するため、お子さまが付け忘れる心配がありません。
ただし、固定式の装置のため、裏側のワイヤー周辺に食べかすやプラークが溜まりやすくなります。
ご自宅での丁寧な仕上げ磨きや、医院での定期的なクリーニングによるむし歯管理が重要になります。
対象症状
部分的な歯のズレ・軽度の受け口
適応時期
混合歯列期 〜 永久歯列期(7歳頃〜)
チンキャップ・ヘッドギアー
お口の中だけでなく、頭や顔の周囲を覆う帽子のようなゴムや布製のパーツと連動させて使用する「顎外(がくがい)装置」です。
「チンキャップ」は下顎の過剰な成長を抑えるために頭と顎に装着し、「ヘッドギアー」は上顎の前方への成長を抑制したり奥歯を後ろに動かしたりするために頭や首の後ろを固定源として使用します。
骨格的なアンバランス(重度の出っ歯や受け口)が顕著なお子さまに対して、お口の中だけの装置ではかけられないしっかりとした力を作用させ、上下の顎の位置関係を改善する確実な骨格的効果が得られます。
ただし、見た目が大きいため外出時の装着は難しく、主に「ご自宅内での時間」や「就寝時」に毎日12時間以上の装着時間をきちんと死守していただく必要があり、ご家族の協力が不可欠です。
対象症状
重度の出っ歯・重度の受け口
適応時期
顎の骨の成長期(8歳頃〜12歳頃)
クワドヘリックス(上顎拡大装置)
上顎(うわあご)の骨全体の横幅が狭く、永久歯がきれいに並ぶスペースが圧倒的に不足している場合に用いられる、上顎専用の拡大装置です。
アルファベットの「W」のような形状をしたステンレスやコバルトクロム合金の丈夫なワイヤーを、左右の奥歯に固定し、そのバネの弾性を利用して上顎の骨の幅を横に押し広げていきます。
歯を傾けて並べるのではなく、上顎骨そのものの結合部を緩やかに広げることが主な目的です。
歯科医院で奥歯に固定するため、取り外しの手間がなく、確実な拡大効果を期待できます。
思春期前後の身長の伸びが良い時期(顎の骨がまだ柔らかく成長のエネルギーが強い時期)に装着すると非常に高い効果を発揮します。
一方、顎の成長発育が完全に終わってしまった高校生以降や大人の方では、骨そのものを広げることができないため、あまり効果が望めません。
固定した直後の数日間は、喋りにくさや食べ物の詰まりを感じることがあります。
対象症状
上顎の横幅の極端な狭さ
適応時期
顎の骨の成長期(8歳頃〜12歳頃)
