口腔機能低下症

    健康寿命を延ばすお口の機能回復計画

    岡崎市の歯医者、ヒロデンタルオフィスの口腔機能低下症

    「最近、硬いものが噛みにくくなった」
    「食事中によくむせる」
    「口が乾いて話しづらい」
    「食べこぼしが増えた」

    そんな変化を覚えることはないでしょうか。

    これらは単なる「加齢に伴う衰え」として見過ごされがちですが、医学的には「口腔機能低下症(オーラルフレイル)」という疾患のサインである可能性が示唆されます。

    口腔機能低下症とは、お口のまわりの筋肉や神経の働きが弱まることにより、「噛む(咀嚼)」「飲み込む(嚥下)」「話す(構音)」「唾液の分泌」などの機能が複合的に低下した状態を指します。2018年4月より、65歳以上の患者さまを対象として公的医療保険の適用となった比較的新しい病名です。

    岡崎市のヒロデンタルオフィスでは、専用の検査機器を用いてお口の機能を精密に測定し、健康寿命の延伸を見据えたお一人おひとりの口腔機能管理プログラムを構築いたします。

     

    保険診療における「口腔機能低下症」の7つの検査項目と診断基準

    岡崎市の歯医者、ヒロデンタルオフィスの口腔機能低下症

    口腔機能低下症の診断は、歯科医師の主観ではなく、定められた7つの検査項目を専門の器具を用いて実施し、そのうち「3項目以上」に該当した場合に病名が確定します。

    当院で行っている検査の具体的な内容と、該当基準は以下の通りです。

     

    ① 口腔衛生状態の低下(お口の清潔さ)

    歯科医師または歯科衛生士が目視(視診)により、舌の表面に付着する白い苔のような汚れ(舌苔:ぜったい)の割合を算定します。
    舌の表面の50%以上に汚れが付着している場合、該当となります。

     

    ② 口腔乾燥(お口の乾き)

    口腔水分計(ムーカス)と呼ばれる専用のセンサーを舌の表面に数秒間押し当て、粘膜の水分量を測定します。または、一定時間の唾液の分泌量を測定します。
    水分量の測定値が「27.0未満」、または湿潤度が低下している場合、該当となります。

     

    ③ 咬合力低下(噛む力の衰え)

    検圧力を感知する特殊なシート(デンタルプレスケール)をしっかり噛んでいただき、全体の噛む力をコンピュータで解析します。
    または、お口の中に残っている「現在歯の数(残存歯数)」を数えます。
    噛む力が「200N(ニュートン)未満」、または残存歯数が「20本未満」の場合、該当となります
    (※入れ歯やインプラントを入れていない状態での評価)。

     

    ④ 舌口唇運動機能低下(お口の動きの滑らかさ)

    オーラルディアドコキネシスと呼ばれる検査を行います。「パ」「タ」「カ」の各音を、それぞれ5秒間でできるだけ早く、繰り返し発音していただき、1秒あたりの発音回数を専用の機器で測定します。

    「パ」:唇を閉じる力を測定

    「タ」:舌の先を前歯の裏につける力を測定

    「カ」:舌の奥を持ち上げる(飲み込みに必要な)力を測定

    いずれかの音の発音回数が「1秒間に6.0回未満」の場合、該当となります。

     

    ⑤ 低舌圧(舌の押し返す力)

    検査方法: 先端に小さな風船(バルーン)がついた専用の舌圧測定器を使用します。
    バルーンをお口の中に入れ、舌と上あご(硬口蓋)の間で思い切り押し潰していただき、その最大圧力を数値化します。
    舌の筋肉量は、食べ物を喉の奥へと送り込む力(嚥下力)に直結します。
    最大舌圧が「30kPa(キロパスカル)未満」の場合、該当となります。

     

    ⑥ 咀嚼機能低下(総合的な噛み砕く力)

    糖分(グルコース)を含んだ専用のグミゼリーを、通常通り20秒間噛みます。
    その後、少量の水で口をすすぎ、吐き出した液のグルコース濃度を専用のセンサーで測定します。
    溶出量が 100mg/dL未満の場合に「咀嚼能力低下」と判定されます。

     

    ⑦ 嚥下機能低下(飲み込む力の衰え)

    質問票を用いて、日常の食事における「むせ」「飲み込みにくさ」の有無を点数化します。
    また、30秒間に何回唾液を飲み込めるかを測定する「反復唾液嚥下テスト(RSST)」を行うこともあります。
    質問紙で一定以上のスコアに達する、または30秒間の唾液の飲み込みが「3回未満」の場合、該当となります。

     

    ヒロデンタルオフィスにおける機能回復へのアプローチ

    当院では、検査結果によって口腔機能低下症と診断された患者さまに対し、以下の機能向上計画を実施します。

     

    歯科的処置による「噛み合わせの再構築」

    岡崎市の歯医者、ヒロデンタルオフィスの口腔機能低下症

    筋肉のトレーニングを行う前提として、まずは「物理的にしっかり噛める構造物」をお口の中に戻す必要があります。
    虫歯の治療、歯周病の処置を行って残っている歯の動揺を抑えるとともに、欠損している部分には精密な入れ歯(義歯)やブリッジを作製・調整し、左右の奥歯で均等に噛み合える状態(咬合の安定)を確立します。

     

    専門的口腔ケア(プロフェッショナル・メカニカル・トゥース・クリーニング)

    岡崎市の歯医者、ヒロデンタルオフィスの口腔機能低下症

    お口の中の細菌数が多い状態や、舌苔が厚く付着している状態では、お口の感覚(味覚や粘膜の過敏性)が鈍麻し、筋肉の動きへの指令が滞りやすくなります。
    歯科衛生士による徹底したプラーク除去、歯石除去、および専用の器具を用いた舌の清掃(舌クリーニング)を行い、口腔内をリセットして感覚機能の回復を促します。

     

    個別の口腔リハビリテーション・トレーニングの指導

    数値が低下している項目(舌圧、運動性、咀嚼など)に応じて、ご自宅で毎日実践していただくための具体的な筋力トレーニングやストレッチの方法をプログラム化し、指導します。

     

    自宅で実践する「口腔機能向上トレーニング」の具体例

    口腔機能低下症の改善には、毎日の継続的なリハビリテーションが不可欠です。
    当院で指導している代表的なトレーニング方法を紹介します。

     

    舌の筋力を鍛える「舌抵抗運動(ぜつていこううんどう)」

    低舌圧の改善を目的に行います。ご自身のスプーンの裏などを清潔な状態で用意し、舌の先でスプーンを前方に強く押し返します。
    手はスプーンをお口側へ押し込むように抵抗をかけ、舌と手で5秒間押し合いをします。これを1日数回繰り返すことで、舌骨上筋群(嚥下に必要な首の筋肉)が鍛えられます。

     

    唾液の分泌を促す「唾液腺マッサージ」

    岡崎市の歯医者、ヒロデンタルオフィスの口腔機能低下症

    口腔乾燥の改善を目的に行います。お口のまわりにある3つの大きな唾液腺を外部から刺激します。


    耳下腺(じかせん)
    頬の後ろ(耳の前あたり)に人差し指から小指までの4本の指を当て、後ろから前へ向かって円を描くようにマッサージします(10回)。

    顎下腺(がっかせん)
    顎の骨のラインの内側の柔らかい部分に親指を当て、耳の下から顎の先に向かって順番に押していきます(5〜10箇所、各3回)。

    舌下腺(ぜっかせん)
    顎の先端の真下の柔らかい部分を、両手の親指で上に向かって突き上げるように押します(10回)。

     

    お口の動きを滑らかにする「パタカラ体操」

    岡崎市の歯医者、ヒロデンタルオフィスの口腔機能低下症

    舌口唇運動機能の向上を目的に行います。「パ、タ、カ、ラ」という4つの音を、お口の構造を意識しながら大きな声ではっきりと発音します。


    「パ、パ、パ、パ、パ」
    と、唇をしっかり閉じて弾く(食べこぼし防止)

    「タ、タ、タ、タ、タ」
    と、舌先を上あごの前方に強くつける(押し潰す力の向上)

    「カ、カ、カ、カ、カ」
    と、舌の奥を上あごの奥につける(誤嚥防止・飲み込みの強化)

    「ラ、ラ、ラ、ラ、ラ」
    と、舌を丸めて上あごにつける(食べ物をまとめる力の向上)

     

    口腔機能管理の受診ステップ(初診から評価まで)

    当院で口腔機能低下症の管理を受ける際の流れです。

    • STEP 1カウンセリングと基本歯科検査
      まずは現在の症状(むせる、食べにくいなど)を伺います。その後、レントゲン撮影や歯周病検査を行い、歯の数や噛み合わせの状態、現在の義歯の適合度をチェックします。
    • STEP 2口腔機能精密検査の実施(約15〜20分)
      前述した7つの項目について、専用のデジタル機器(舌圧測定器、口腔水分計、オーラルディアドコキネシス測定器など)を用いて検査を行います。痛みや不快感を伴う検査はありません。
    • STEP 3結果の説明と診断
      測定データを即座に解析し、レーダーチャートなどの可視化された資料を用いて、現在の患者さまのお口の機能年齢や強み・弱みを客観的に説明します。3項目以上に該当した場合は、口腔機能低下症の診断となり、保険診療による管理計画へ移行します。
    • STEP 4リハビリ指導と歯科衛生士によるケア
      個別に算定されたトレーニングの計画書をお渡しし、歯科衛生士が正しいフォームや回数を指導します。同時に、院内での口腔清掃処置を行います。
    • STEP 5定期評価(3ヶ月〜6ヶ月後)
      一定期間、ご自宅でのトレーニングと通院による管理を継続した後、再度同じ7項目の精密検査を行い、数値がどのように変化したかを再評価(リコンファーム)します。機能の改善度合いに応じて、プログラムの修正や維持管理へと進みます。

     

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